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貿易が生態系に及ぼす影響

・アメリカザリガニと外来種規制

皆さんはアメリカザリガニと聞くと何をイメージされるでしょうか。
子供のころ、夏祭りのザリガニ釣りや、川や池などで捕まえたことがある方も多いのではないでしょうか。

アメリカザリガニはミシシッピ川流域を中心とした北米原産のザリガニで、
一説によると食用ガエルの餌として持ち込まれ、
そこから逃げ出したものが定着したともいわれているそうです。

その繁殖力は非常に強く、現在では日本中の川や池に生息域を広げています。
食欲も旺盛で、日本在来の水生植物や昆虫を捕食することで
日本の生態系を破壊していることが問題になっていました。

そのアメリカザリガニですが、2023年6月1日に「条件付特定外来生物」に指定されました。
※同時にアカミミガメ(通称ミドリガメ)も指定

一般には聞きなれない言葉ですが、これによりアメリカザリガニを販売することや
池や川に放つ行為が禁止され、違反すると罰則・罰金の対象となることになりました。
※既に個人で買っているものはそのまま飼い続けることができ、無償での譲渡も可能なようですが、
詳細は環境省のサイトでご確認下さい。
(2023年6月1日よりアカミミガメ・アメリカザリガニの規制が始まりました! | 日本の外来種対策 | 外来生物法 (env.go.jp))

・バラスト水による生態系の破壊
アメリカザリガニやミシシッピアカミミガメのように
人間が直接持ち運ぶことで外来生物が流入することがある一方、
以外な経路で外来生物が運ばれることもあるそうです。

我々商社も利用する貨物船にはバラスト水という海水が積まれており、
(船が空荷のときに船舶を安定させるために重りとして積む海水)
その中に存在する生物が、本来の生息地ではない海域に侵入して生態系に被害を発生させることがあるそうです。

バラスト水に関しても国際的な規制が始まっており、
新造船及び既存の船も定期点検を行う際にも、外来生物が流出しないように
バラスト水処理システムを搭載することが義務付けられているそうです。
(バラスト水処理技術 - 環境技術解説|環境展望台:国立環境研究所 環境情報メディア)

貿易によって世界中がつながることで、私たちは様々な恩恵を受けていますが、
そこにあるリスクについてもしっかりと理解し、リスクを管理することで
バランスをとっていくことが大切なのかもしれません。

文責:本社営業部 山口

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